例えば、将軍様の型文様同様、鍋島型、島津型、加賀染、紀州型などがあります。
その中でも武田家の分家である南部家の染物師「えびすや」は、南部家の祖、甲州南部郷(山梨県)に戻る最も古い伝統の一つです。
この伝統から作られた南部古代型の文様は今日まで続き、「オリジナルの南部型文様」
と呼ばれます。
私たちは約500年の歴史を持っています。
南部藩主の城築城に伴い盛岡に移住しました。現在の場所で約350年間営業を続けております。
寛永5年(1628年)の家系図を調べることでこのことを確認することができます。
南部古代型染の特徴はダイナミックさ、繊細な表現と優雅な流れを持った柄です。
南部家の英雄性と、
芸術を愛する南部城主の人柄が庶民にも浸透しました。
私共のこの作品は、この歴史的伝統によって育まれてきました。そして先祖から受け継がれてきたものです。私は、常に先祖からの素晴らしい型と文様を復活させるために努力しております。もしそれが日本文化の小さな光として次の世代に伝わるとすればとても喜ばしいことです。
型と防染糊の作り方
昔ながらの南部古代型染の工程は、簡単に言えば、言葉にして、型を基本として布に糊を置き、染まらない文様が後に残るということです。
このようにして染められた布は、着物はもちろんこと、同様に財布、カードケース、のれん、帯、テーブルセンター、テーブルクロス、各種バッグ等多くの他のことに用いられています。
人は、この古典的芸術の優雅さに見られる模様に、自然と躍動感を感じます。そして私は、独特な感情ニュアンスは型染から出てくるものと言えるかもしれません。
もし私が、型はどのようにして作られるかといえばまずデザインから始まると言えるでしょう。デザインが完成したら、それを型紙の上に置き、それに基づいて模様を切り抜きます。
これは型染において最も重要な技術の
1
つです。型染には長い訓練と忍耐と努力が必要です。
次に防戦糊の作り方です。
防染糊が乾燥してひび割れしないように、柔らかさを保つためあらかじめ塩を加えておくことが大切です。
通常、米2に米ぬか3を混ぜた製品は標準的な型染に適していると考えられます。
染色は
もちろん用途にもよりますが、模様の細かさや粗さ、その混ぜた物の量はその時に応じて
調整する必要があります。
染色工程を簡単に説明いたします。
(1)
染色する前に、布を精錬し、乾燥させます。糸に含まれる織り糊と油分が除去されます。
(2)
乾いた布に型を使って防染糊を糊置きをします。
(3)次に地入れです。大豆汁が、染めの浸透を進めるために糊が置かれる生地に加えられます。
(4)
染料を刷毛で引き、色合いに変化が必要な場合は、適切な染料を使用してアクセントを付けます。
染色後 作品は乾燥、そのあと糊を落とし乾燥させて完成です。
他にも多くの方法があり、これはあくまでも
一例です。
三大行程
型彫り・糊置き・染色
代表的な柄
向鶴
向鶴を使った菱形の文様です。
南部家の紋章。
この菱形の鶴の模様は、昔ながらの南部古代型染特有の模様です。
千羽千鳥
南部家とともに三戸へ赴いた染物師、蛭子屋三右衛門が、甲州南部郷藩主・義満のために作り出したといわれています。海辺の千鳥の群れ
美しさに魅せられたものです。
南部萩
南部古代型染の最古の文様と考えられています。
無秩序にみえるパターンの中で、美しい線の流れが見られます。
南部古代型染元蛭子屋
"Nanbukodaikatazomemoto
Ebisuya Onosensaisyo”
郵便番号
020-0063 盛岡市材木町10-16